神社へ正月にお参りする理由とは?その歴史を紐解き解説してみた!

神社へ正月にお参りする理由とは?その歴史を紐解き解説してみた!神社へ正月にお参りする理由とは?その歴史を紐解き解説してみた!

お正月に神社にお参りに行かれる方は、皆さんの中にも多いと思います。

でも、この『正月のお参り』にどういう意味と歴史があるのと聞かれて、即座に答えられる方は意外に少ないのではないでしょうか。

 

今回は、そんな知っているようで知らない、『神社へ正月にお参りする』ということについて、調べてみました。

 

神社へ正月にお参りするのに、どういう意味があるの?

なぜ日本人は、正月に神社にお参りするのでしょう。

まずは、ここから紐解いてみましょう。

 

お正月に神社にお参りすることを、初詣と言いますよね。

初詣とは、『新年になって初めて神社やお寺に参拝すること』です。

 

では参拝して何をするのかと言えば、神様(仏様)に旧年の感謝を捧げ、新年が良い年になるように願掛けをするのです。

 

一方、自宅での正月行事として、門松を立てて正月飾りをしたり、お雑煮やおせち料理を食べるということをされるご家庭も多いことでしょう。

実は、こちらも神様へ感謝を捧げ、良い新年への願掛けをする行事なのです。

 

このふたつの行事、どちらも神様への旧年の感謝と新年への願掛けですから、一見同じことをしているように思えますね。

 

でも、実はまったく別の行事なのです。

なぜなら、それぞれの行事で感謝やお願いをする神様は、別の神様なのですから。

 

神社にいらっしゃる神様は氏神様であり、お正月飾りなどで自宅にお招きする神様は歳神様なのです。

 

神様である氏神様と歳神様について

氏神様とは、どのような神様なのでしょうか。

それは、『同じ地域に住む人々が共同でおまつりしていて、その土地や地域を守ってくれている神様』なのです。

 

こうした 地域を守ってくださる神様をお祀りする神社を氏神神社と言い、氏神神社周辺の決められた地域に住んで その神社をおまつりする方々を氏子と言います。

 

一方、歳神様とは大晦日の晩に各家々にその家のご先祖さまと一緒に来られて、家に幸せをもたらすと同時に、家を守ってくださる神様なのです。

 

ですので、正月のお参りは、地域の氏神様に旧年の感謝をし、新年の幸を願掛けするのです。

一方、自宅での正月行事は、家に来られた歳神様に旧年の感謝をし、新年の幸を願掛けするのです。

 

正月のお参りは、どちらの神社にお参りするのが良いの?

では、正月のお参りは、どちらの神社にお参りするのが良いのでしょうか。

それは、いつもあなたの住む地域を守ってくださる、氏神様にお参りするのが正しいです。

 

日頃から何くれとなくお世話になっている地元の神様に新年最初のご挨拶をして、『旧年の感謝と良い新年への願掛けをしましょうということです。

 

もし氏神様の神社がどちらかわからないという場合は、近くにお住まいのお年寄りの方や、町内会長さんに聞いてみてください。

 

もしくは、神社庁に問い合わせると確実にわかります。

神社庁は各都道府県に設置されていますので、こちらでお住まいのご住所を言っていただければ、氏神神社を教えてくれます。

 

各都道府県の神社庁は、神社本庁ホームページで検索できますので、ご覧になってみてください。

神社庁ホームページ

 

ちなみに、ご自宅に神棚をおまつりされているのであれば、こちらへのお参りがなにより最初ですので、忘れないでくださいね。

 

正月の参りの移り変わり

では、正月のお参りは、いつから今のような姿になってきたのでしょう。

正月のお参りのもともとのかたちは、『年籠り(としごもり)』という行事でした。

 

これは、地域の長(おさ)が、氏神神社に大晦日の夜から元日の朝まで一睡もせずに籠り、祈りをささげるという行事でした。

 

この年籠りが、大晦日の夜の『除夜詣』と元日の朝の『元日詣』に分かれていき、元日詣が初詣の原形となったというのが通説です。

 

ですが、年籠りが元日詣に代わっても、詣でる先が氏神神社であることには変わりませんでした。

当時の正月のお参りは、あくまでも地域と密着していたのです。

 

こうした状況は、明治時代に入っても続いていました。

そして、明治時代中期以降に それまでの氏神神社だけへのお参りから、近郊の有名神社にお参りするという新しい風習が生まれてきたのです。

 

これの風習の変化には、意外にも明治時代以降の鉄道の発展が深く関わっていたのです。

 

1872(明治5)の東海道線開通を皮切りに、関東や関西で多くの鉄道会社が設立されましたが、これらの鉄道の中は、有名な神社・仏閣への参拝客輸送を目的として設立されたものもあったのです。

 

そうした鉄道会社が、自社沿線の神社仏閣にお客さまを集めようと宣伝合戦を繰り広げた結果、行楽を兼ねて新年に有名神社に鉄道でお参りに行くという新しい風習が、明治時代から大正時代にかけて、人々の生活に定着していったのです。

 

そして、初詣という言葉も、この宣伝合戦の中で発案された言葉であり、大正時代以降一般的な言葉として使われるようになっていったのです。

 

最後に

いかがでしたか。

正月のお参りを初詣と呼ぶのは、宣伝合戦から生まれたキャッチコピーが起源だったというのは、面白いですね。

 

こうした変遷の歴史を踏まえた上で、正月のお参りは まず氏神様へ、その次にお好きな神社に行かれるようにしてください。

 

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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